カノカ汁

  

 ブナカノカは橅の木に生える白い茸である。秋になると鳴子のあたりではモダツと共によく食べたが、数年前、食中毒事件があって、最近店屋などでは出さない。
 彼岸の頃。東鳴子のツンちゃんの家で、このカノカの汁を御馳走になった。カノカと茗荷と豆腐と油揚が入っていた。

南蝶食単 まえがき

 人も知る袁枚の『随園食単』は味の書である。味覚を論じ、調理法を記す。交友のことなども少し書いてある。わが「食単」は印象の備忘録である。その時々心に残った食べ物を記すばかりで、無論美味かったものが多いが、ありきたりなものであっても、つまらなくても、ただ思い返して懐かしくさえあれば記す。
 また近頃食べたものもいずれは思い出となるのだから、これも忘れないうちに記録する。読者よ、お読みとあらば、かかるものとして読みたまえ。

御挨拶&プロフィル

旧ブログから引っ越してまいりました。最初のご挨拶を再掲いたします。
今年からはこちらでどうぞよろしくお願いいたします。

 

≪御挨拶≫
インターネットを使って本の宣伝をしたいと思っていたが、機械を巧くいじれぬ吾輩にはユメのユメであった。このたび、小三毛さんという奇特な協力者を得て、おんぶにだっこでブログを開設する。吾輩の小説(老舎のでないヨ)「猫城」にちなみ、「猫城通信」と名づける。閑な人よ、御覧あれ。 城主敬白。

 

・城主プロフィル・
南條竹則。1958年生まれ。貧書生なり。中華料理と怪奇小説を愛す。
「人生はうしろ向きに」が座右の銘なり。

 

・小三毛・
猫城に棲息中の人外。お留守番役&化猫修行中。
主な活動時間は日が沈んでから夜があけるまで。
図書室と寝室がお気に入り。