酒の部

「中ざと」の柚焼酎

根岸の「中ざと」では、暮になると、田舎から送って来る柚を切って、ほろ苦い柚焼酎をつくった。口当たりが良くて、その季節にはこればかり飲んでいた。

「栄川」の花見

ゴールデンウイークに福島の微温湯温泉へ来たら、道沿いに植わっている大山桜の並木が満開になった。 今日は暖かいから、花見をしようと思う。 帳場にいって、「栄川」のワンカップと麒麟ビールの缶、それに少しのつまみをもらい、小盆にのせて、良さそうな…

東郷神社の甘酒

昔、原宿に住んでいた頃、毎年大晦日には友達がわが家に集まり、新年を迎えると東郷神社へ初詣に行った。 その頃はまだこの神社へ初詣に来る人も少なく、空いていて、神さびた雰囲気もあり、振舞ってくれる甘酒もしみじみと美味かった。

ネップ・カム

最近、都内のベトナム料理屋でもベトナムの酒を置いてある。ネップ・カムというのを頼んでみたら、餅米の醸造酒で、黒く、ねっとりして、甘口で、紹興の太彫酒を思わせた。

「亀島」の泡盛

日本堤にあった居酒屋「亀島」は小さな角店で、お婆さんが一人でやっていた。泡盛があり、昔風にラムネも置いてあった。 生揚げを注文したが、いつまでも出て来ない。そのうち近所の豆腐屋が「遅くなってごめん」と言いながら、届けに来た。

酔仙

大地震で岩手の「酔仙」の蔵元が被害を受けたというニュースを見た時、昔、上野の「岩手屋」でこの酒を初めて飲んだ時のことを思い出した。 それまでに飲んだことのない辛口の酒だった。

四季桜

昔、綜合社でアルバイトをしていた時、社員のK山さんが「四季桜」を飲む会に連れて行ってくれた。 会場は神田の「龍水楼」で、羊のしゃぶしゃぶを食べながら、小さい樽に入っている酒を試飲したのだが、酒は活きが良くて旨く、したたかに酔った。帰りに地下…