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公園六区の「不二家」

「不二家」は浅草公園六区の映画館街にあった昔の大衆食堂で、私が南千住へ越して来た時にはもう営業していなかったが、建物は長いこと残っていた。看板に「誇る味覚 豊かな栄養」とあったのが時代を偲ばせた。

青麦

昔、夏にドイツへ行った時、弟たちと青麦の実っている畑の道を歩いた。 子守りのおねえさんが麦の穂を一つもいで、こちらに渡した。殻を剝いて食べてみたら、生の麦はみずみずしかった。

最上の鯨鍋

瀬見温泉のあたりでは、塩鯨とミズと新ジャガイモを材料にして、味噌仕立ての鍋をつくる。旅館でも時々出る。ミズは盆の頃のが、春のミズよりも美味いという。皮を剥いて使う。

なめとこ山の小十郎漬け

これは昔、「鉛温泉」の売店で売っていた鉄砲漬けで、大根の芯に唐辛子が入っていて、ピリリと辛かった。

門前仲町「大坂屋」の串煮込み

門前仲町の「大坂屋」の串煮込みは、シロと軟骨とフワの三種類。甘辛い独特の味つけである。 昔、道玄坂の「雪国」のおババが、ここの味を真似して煮込みをこしらえたことがある。といっても、串には刺さなかった。串に刺さない串煮込みはやはり今ひとつと思…

「鈴芳」の串カツ

浅草の通称「ホッピー通り」にある「鈴芳」の串カツは、つぶしたジャガイモに葱と豚肉の串をくるんだ、いわばコロッケ・カツである。面白い。

エゴ

瀬見温泉では春秋の彼岸にエゴというものを供える。九州のオキュウトと同じで、海藻でつくった寒天のようなものだ。香りが良い。

「徳仙」の煮込み

浅草の居酒屋「徳仙」は大きな穴子の天麩羅が看板だが、煮込みも美味い。「正ちゃん」の煮込みに似ている。