2017-05-12 紅葉の天麩羅 点心の部 昔、友人の婚礼で大阪へ行き、温泉のある箕面観光ホテルに泊まった。 最寄りの駅からこのホテルへ行く道に紅葉の天麩羅を売る店があり、ひとつ買ってみた。かりんとうのように硬く揚がっていて、味はべつにどうということもない。紅葉は紅葉である。
2017-05-07 「オリオン」の洋食 原宿の部 昔、原宿駅近くのマンションの地下に「オリオン」という洋食屋があり、わが家ではよく使った。ポークソテー、ミックスグリルが看板だった。 この店は出前もしてくれた。K君がマテウスのロゼを土産に家へ遊びに来た時、サラダにコーンポタージュ、ミックス・グリル、ドリアといったところでフルコースの食事をしたのを憶えている。
2017-05-01 ネップ・カム 酒の部 最近、都内のベトナム料理屋でもベトナムの酒を置いてある。ネップ・カムというのを頼んでみたら、餅米の醸造酒で、黒く、ねっとりして、甘口で、紹興の太彫酒を思わせた。
2017-04-25 「ナイル」のカレー カレーの部 昔、東銀座にG彫刻センターというところがあり、父親の遣いでよくそこへ行った。その帰りなどに時々、有名な「ナイル」へ行って、マトン・カレーを食べた。 この店は店主の調子が良くて、いつも術に嵌められたような気がした。
2017-04-17 「一房」のおろしそば 麺類の部 昔、池袋西口の池袋警察のそばに「一房(ひとふさ)」という小さな蕎麦屋があった。今は知る人もあまりいないが、昔の食べ物案内書には載っていたから、それなりの由緒ある店だったのだろう。 ここは米子特産の蕎麦粉を使って、「おろしそば」や「かやくそば」など、各地の田舎そばを食べさせた。壁に日本の「そば地図」が貼ってあり、地方の特色ある蕎麦の数々を紹介していた。 わたしは二回ぐらい行って、「おろしそば」を食べたのを憶えている。「鍋そば」というものがあり、うどんすきのようなものだったと思うが、佐藤春夫がそれを食べている写真が飾ってあった。
2017-04-10 干柿 果物の部 年をとって好みが変わることは、よくある。 子供の頃、干柿はあまり食べなかったが、四十を越した頃から妙に好きになった。以前、冬に田中温泉へ行くと、時々近所の人がこしらえた干柿をどっさりもらって、堪能した。 「龍口酒家」の石橋さんも干柿を作るのが上手である。