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東郷神社の甘酒

 昔、原宿に住んでいた頃、毎年大晦日には友達がわが家に集まり、新年を迎えると東郷神社へ初詣に行った。
 その頃はまだこの神社へ初詣に来る人も少なく、空いていて、神さびた雰囲気もあり、振舞ってくれる甘酒もしみじみと美味かった。

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紅葉の天麩羅

 昔、友人の婚礼で大阪へ行き、温泉のある箕面観光ホテルに泊まった。
 最寄りの駅からこのホテルへ行く道に紅葉の天麩羅を売る店があり、ひとつ買ってみた。かりんとうのように硬く揚がっていて、味はべつにどうということもない。紅葉は紅葉である。

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「オリオン」の洋食

 昔、原宿駅近くのマンションの地下に「オリオン」という洋食屋があり、わが家ではよく使った。ポークソテー、ミックスグリルが看板だった。
 この店は出前もしてくれた。K君がマテウスのロゼを土産に家へ遊びに来た時、サラダにコーンポタージュ、ミックス・グリル、ドリアといったところでフルコースの食事をしたのを憶えている。

ネップ・カム

 最近、都内のベトナム料理屋でもベトナムの酒を置いてある。ネップ・カムというのを頼んでみたら、餅米の醸造酒で、黒く、ねっとりして、甘口で、紹興の太彫酒を思わせた。

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「ナイル」のカレー

 昔、東銀座にG彫刻センターというところがあり、父親の遣いでよくそこへ行った。その帰りなどに時々、有名な「ナイル」へ行って、マトン・カレーを食べた。
 この店は店主の調子が良くて、いつも術に嵌められたような気がした。

生栗

 昔、韓国のソウルで伝統料理のフルコースを食べた時、生の栗が出て来たのをオツなものだと思った。
 生の朝鮮人参の薄切りに蜂蜜をつけたのも良かった。

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「一房」のおろしそば

 昔、池袋西口の池袋警察のそばに「一房(ひとふさ)」という小さな蕎麦屋があった。今は知る人もあまりいないが、昔の食べ物案内書には載っていたから、それなりの由緒ある店だったのだろう。
 ここは米子特産の蕎麦粉を使って、「おろしそば」や「かやくそば」など、各地の田舎そばを食べさせた。壁に日本の「そば地図」が貼ってあり、地方の特色ある蕎麦の数々を紹介していた。
 わたしは二回ぐらい行って、「おろしそば」を食べたのを憶えている。
「鍋そば」というものがあり、うどんすきのようなものだったと思うが、佐藤春夫がそれを食べている写真が飾ってあった。