渋谷の「長崎ちゃんぽん」

 昔、道玄坂の「旭屋」という蕎麦屋の角から横丁に曲がると、チャンポンの店があった。

 狭いが、サラリーマンなどで混んでいて、味は仲々良かった。

「中ざと」の柚焼酎

 根岸の「中ざと」では、暮になると、田舎から送って来る柚を切って、ほろ苦い柚焼酎をつくった。口当たりが良くて、その季節にはこればかり飲んでいた。

最上の鯨鍋

 瀬見温泉のあたりでは、塩鯨とミズと新ジャガイモを材料にして、味噌仕立ての鍋をつくる。旅館でも時々出る。ミズは盆の頃のが、春のミズよりも美味いという。皮を剥いて使う。

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なめとこ山の小十郎漬け

 これは昔、「鉛温泉」の売店で売っていた鉄砲漬けで、大根の芯に唐辛子が入っていて、ピリリと辛かった。

「台北飯店」の砂肝焼きビーフン

 再開発前の新宿南口にあった「台北飯店」は朝の五時までやっているので、新宿で遅くまで飲んだ人間が始発を待つ避難所だった。
 ここの「砂肝焼きビーフン」は、ゴウゴウと燃えさかる火でサッと炒めた歯ごたえのある砂肝が何とも美味い逸品だった。
 この店は、その後、調布の「調布銀座」に引っ越している。

門前仲町「大坂屋」の串煮込み

 門前仲町の「大坂屋」の串煮込みは、シロと軟骨とフワの三種類。甘辛い独特の味つけである。
 昔、道玄坂の「雪国」のおババが、ここの味を真似して煮込みをこしらえたことがある。といっても、串には刺さなかった。串に刺さない串煮込みはやはり今ひとつと思った。

赤目芋

 子供の頃、お酉様の屋台でやつがしらと間違えて赤目芋を買ったら、筋っぽくて食べられなかった。
 けれども、この芋もちゃんと煮れば美味い。
 福建や台湾では赤目芋をつぶしてキントンのような「芋泥」にする。台北の「福園」で食べた芋泥には銀杏がポツリと入っていた。

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