『幻想秘湯巡り』復刊と集英社コラム連載のおしらせ

●この夏、電子書籍のレーベル「惑星と口笛ブックス」より、『幻想秘湯巡り』を復刊する。各地の温泉とその温泉ゆかりの文人について記したエッセイ集ぢゃ。中に短篇小説「洞窟の湯守」が入っている。「電子版あとがき」つき。

 

集英社新書ウェブコラム「酒場から酒場へ」好評連載中。見てくだされ。

 

 

(=‘x‘=) 以上、南條城主から電子書籍刊行とコラム連載のおしらせでした。

 

 

エゴ

 瀬見温泉では春秋の彼岸にエゴというものを供える。九州のオキュウトと同じで、海藻でつくった寒天のようなものだ。香りが良い。

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イラブウナギ

 昔、初めて沖縄の那覇へ行った時、国際市場でとぐろを巻いた蛇の干物を売っているのを見た。イラブウナギという海蛇で、高級な食材らしい。
 二、三日して久高島へ行ったが、このウナギの干物をつくるイラブ小屋というのを見たから、那覇へ帰って、とぐろを巻いているやつを買ってみた。
 小岩の「楊州飯店」へ持ち込んでスープにしてもらったが、味は身欠き鰊のようだった。たいそうアクが出て、戻すのに大変な苦労をした、と奥さんのハッチャンが眉を顰めて語っていた。

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蓮根

 中国料理は油っこいものばかりだと思っている人が多いが、そうでない。
 旬の蓮根を十分に煮て、ホコホコして、少し粘りがあるくらいにする。これを切って黒酢をかけただけというのも、立派な中国料理である。錦糸町の「天府酒楼」で食べたが、この料理は材料が新鮮であることを必要とする。

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冬越し大根

 山形の瀬見あたりで、春まで雪に埋めておいた冬越し大根は、見てくれは悪いが、甘くて美味しい,と瀬見温泉の鮨屋で聞いた。

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蕗の薹

 五月の連休に微温湯温泉へ来てみたら、そこいらじゅうに蕗の薹が出ている。もう花が開いているけれど、なるべく若い、たおやかなのを選んで採って来た。厨から味噌をもらい、ばっけ味噌にして食べる。苦いが、香りは上々だ。
 これを下物(さかな)に「栄川」のワンカップを飲んだ。これぞ人間の美味也。

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東郷神社の甘酒

 昔、原宿に住んでいた頃、毎年大晦日には友達がわが家に集まり、新年を迎えると東郷神社へ初詣に行った。
 その頃はまだこの神社へ初詣に来る人も少なく、空いていて、神さびた雰囲気もあり、振舞ってくれる甘酒もしみじみと美味かった。

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